「世代会計」

2005/10/13 14:58


 昨日付「やすとログ」に引き続いて「書評」編です。これも1ヶ月ほど前の「日本経済新聞」に掲載されたものです。「曖昧さを嫌う若い世代の戦い」のログに関連する内容だったので取り上げてみました。書評の対象はL・J・コトリコフとS・バーンズの共著「破産する未来」。書評を執筆したのは日経新聞の記者だと思います。
 この本の著者のひとりであるコトリコフ教授は別名「ミスター『世代会計』」と呼ばれているそうです。国・自治体と国民との間のあらゆるお金やサービスの遣り取りを推計しその収支格差を「世代ごとに」比べたもの、それが「世代会計」です。米国では、現存する世代とこれから生まれてくる世代との生涯負担税率を同じにしようとするなら、現在の個人・法人所得税の増税幅を78%にしなければならないそうです。子供を犠牲にして現世代を甘やかす為政者への皮肉を込めて、「ミスター『世代会計』」はこの衝撃の現実を「財政的幼児虐待」と呼んでいます。
 「幼児虐待」とは何ともデリカシーのない言葉遣いですが、この本でいう「虐待度」、すなわち、「不公平度」は少子・高齢化の速度が米国よりはるかに速い我が国のほうがさらに深刻なはず。「世代会計」は我が国でこそ議論されるべき問題ですね。
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