「男女平等バカ」

2006/03/09 19:51


 宝島社発行「男女平等バカ」を読みました。強烈なインパクトの題名です。副題として「家庭、学校、会社、自治体、中央官庁の“ジェンダーな”事件簿」とあります。表紙にはこのほか「年間10兆円の血税をたれ流す、“男女共同参画”の怖い話!」とあって次のようなインデックスが記載されています。
  ・子どもをSEX漬けにする過激性教育
  ・DV&セクハラ冤罪
  ・男女共同参画センターと同和利権
  ・少子化対策のウソ
  ・全国“トンデモ”ジェンダーフリー条例
  ・女性専用車両の無駄
  ・<フェミナチ=女権独裁>の司令塔「男女共同参画局」
 本の題名に「バカ」という言葉遣いは尋常ではありませんが、内容はと言うと章ごとに各界専門家が執筆を担当していてなかなかの力作揃いです。例えば、「我が国政府は少子化の『原因』を180度逆転させた」と指摘する小論文は政策論としても価値が高いと思います。
 1994年12月に策定された政府の少子化対策「エンゼルプラン」では少子化の原因を「晩婚化(未婚化)の進行」と「夫婦の出生力の低下」にあると分析していました。しかし、そうした議論が、2000年頃を境に「少子化の『原因』は女性の社会進出が困難なことであり、働く女性が増えれば少子化は防げる」とする「男女共同参画は少子化対策に有効」論へとすり替わっていく過程を、同小論文は詳述しています。
 「女性の労働力率が高まるとともに、出生率の回復につながる」とする新聞記事などを最近目にすることが多くなりました。内閣府男女共同参画局の報告書をベースとした議論です。同報告書では、OECD加盟国のデータ分布図を掲載し、統計的にそのことが裏付けられているかのような見せ掛けを行っています。しかし、この分布図は同加盟25ヵ国中13ヵ国しか扱っていません。すべての加盟国のデータを集計し直すと何と(!)「女性労働力率が高くなるほど、出生率が低い」という全く逆の結果が出るそうです。国内でも女性労働率が比較的低い江戸川区は東京23区の中で唯一、合計特殊出生率が全国平均を上回りました(2003年)。
 男女共同参画も女性の社会進出も、極めて重要な政策であり国や自治体のあるべき姿の一つです。ただ、それが進んでいないことが少子化の「原因」と半ば強引にこじつけて講じられている「少子化対策」と称する現在の政策は「非科学的」であり「効果が期待できない」ものが多いと断罪せざるを得ません。科学的根拠に基づく、そして、効果が(博打的ではなく(笑))科学的に期待できる政策づくりを国家レベルでもっとやってもらいたいものです。
 上記については、吉田康人の政策スタッフとしてがんばって下さっている高田さんが「やすと政策塾」(http://wave.ap.teacup.com/yasutopolicy/)の中で詳述して下さっていますし、吉田康人自身も同ホームページでコメントしています。そちらもご覧下さいね。

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