「増税再建」を回避せよ(4)

2007/11/30 21:47


((3)からの続き)

 少し間が空きましたが11月22日付「やすとログ」に続く(4)です。今回で最後です。

◆経済成長は「安定」ではなく「加速」

 竹中氏の結論は「『成長再建』という『経済政策の正道』を踏み外せばそれは、危うい兆しを見せ始めた日本経済をさらに危ういものにする」。

 経済成長は「安定」ではなく「加速」であることを明確に主張する論陣が張られなければなりません。

 世界各国はSWF(ソブリン・ウェルス・ファンド:政府系ファンド)を当然のこととして政策論議を始めているのに、我が国は入口で立ち往生して取り残されています。世界の大学トップ10の中に国立大学など1校もないという現実を直視して、我が国国立大学の民営化を議論すべきです。

 経済論議がますます空洞化する中、我が国政治・行政の空気は「増税再建」へ一気に向かおうとしています。確かに、社会保障や地方分権の財源を考えると消費税の役割は将来的には極めて大きいと言えます。しかし、だからこそ、財政健全化の第一目標である基礎的収支回復の段階で安易な「増税再建」へ走ってはならないのです。

(終わり)
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