「父、帰る」

2008/09/13 17:25


 映画鑑賞のご報告がまた滞ってきました(^_^;)。これも既に1ヵ月半も前に見た映画です。ツタヤのガイドブックで興味を持ちロシア映画「父、帰る」(2003年。アンドレイ・ズビャギンツェフ監督)を見ました。

 この映画の公式ホームページのトップ・ページには「・・(前略)・・謎が謎をよぶその先には息を呑む結末・・(後略)・・」とあります。吉田康人から見ると正直言って、一般的な「結末」と言えるような結末で映画は終わりません。しかし、ヴェネチア国際映画祭グランプリ金獅子賞・新人監督賞を受賞し世界的にも非常に評価が高い作品なのです。

 ロシアの片田舎でのお話。母(ナタリヤ・ヴドヴィナ)と慎ましく幸せに暮らしていた2人の兄弟、イワン(イワン・ドブロヌラヴォフ)とアンドレイ(ウラジーミル・ガーリン)。12年前に家を出ていったきり音信不通だった父(コンスタンチン・ラヴロネンコ)が突然、家に帰ってきます。兄弟にとっては写真でしか顔を見たことがない父です。

 寡黙な父はこれまでのことを何も語ろうとはしません。母も事情を説明しようとはしません。父は翌朝、戸惑う兄弟を小旅行へ連れ出します。父はその道中、子供達へ高圧的に振る舞います。理不尽な接しかたではありましたが兄は慕い始めます。しかし一方、弟は反抗心を徐々に募らせていくのです。そして、・・。

 この映画への多くの評論に書かれているとおり、「謎」や「理由」は最後まで明らかにされません。ただ、西洋哲学、西洋美術に詳しい人々によれば、キリスト教など神話的、神秘的なモチーフが散りばめられていて唸るような映像になっているそうです。確かに、途中、全く眠くならないし(笑)父親のあの存在感は強烈です。

 映画鑑賞のウィングを広げることができたと思います。
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