秩序論者・吉田松陰
2009/03/06 15:11
【「世に棲む日日」(司馬遼太郎著)シリーズ(3)】
難解な一節ですが、秩序遵守主義者だからこそ旧態依然とした秩序を破壊したくなるという気持ちは痛いほどよくわかります(笑)。
<<主殿に感心する松陰は、かれが秩序ずきであることを物語っている。同時に大鉄槌をふりあげ秩序を破壊しようとする衝動も、松陰の心の底にうごいていた。矛盾している。
くりかえすようだが、松陰の専門は兵学である。兵学は軍隊行動をあつかう。軍隊の論理は秩序である。
松陰は秩序論者であり、秩序美の讃美者でもあった。そういう自分を、いま引き裂こうとしている。
(中略)
松陰は矛盾している。秩序美を讃美するくせに、同時にものや事柄の原理を根こそぎに考えてみるたちでもあった。原理において正しければ秩序は無視してもかまわない、むしろ大勇猛をもって無視すべきであると考えている。いや、いまはじめてそのことを考えた。>>
「社会の秩序、政治・行政の秩序、組織の秩序・・」を振りかざして秩序をただただ守ろうとする者は、守旧派であって、秩序論者ではありません。こういう人達にとっての秩序は自らの既得権益を守るための道具にしかすぎない場合が多い。社会全体の利益や原理原則を守ることを第一義に掲げる吉田松陰のような秩序論者はそこが大きく違う。・・というのが吉田康人の経験則です(笑)。
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