「共通マニフェスト」に問う
2009/07/30 21:05
先行して発表された民主党マニフェストへの評価、自民党がもうじき発表するマニフェストの骨子、鳩山代表、麻生首相、橋本知事らの発言、失言、あるいは、マニフェストを発表から選挙までの間に変えてエエとかアカンとか・・。マス・メディアなどで様々な立場、角度からたくさん報じられています。しかし、現在のところどうしても理解できないことがあります。それは、「共通マニフェスト」とは何か?という点です。
以前の選挙から、自民党と公明党とは連立政権を組むという前提で与党共通のマニフェストを公に掲げてきたという経緯があります。「連立与党重点政策」とも言うらしい。こうした「共通マニフェスト」をまとめるにあたっての困難性は一般には次のように報じられています。
<<(与党側について)消費税を含む税制抜本改革については、重点政策への明記を求める自民党と慎重な公明党に意見の隔たりがあるため、さらに調整を続ける。(7月30日付「日本経済新聞」(インターネット))>>
<<(野党側について)ただ、外交・安全保障政策では意見の隔たりがあり、共通政策に盛り込まれるかどうかは不透明だ。(同)>>
政治・行政とて論理的、科学的でなければならないとの信念の吉田康人には、上記以前の問題として、論理的に理解できない点があります。わかりやすく言うとこうなります。連立を組む前提の自民党と公明党のマニフェスト(仮に民主党と社民党でも同じこと)が次のような公約を掲げていたとします。
自民党マニフェスト
公約A
◎公約B
○公約C (例:議員定数20%削減)
◎公約D
公約E
公明党マニフェスト
◎公約B
○公約C’(例:議員定数40%削減)
◎公約D
公約F
この場合、「共通マニフェスト」ではどうするんですか?。ま、仮定の話ばかりで恐縮ですが、両党マニフェストに共通の公約B、公約Dを「共通マニフェスト」に盛りこもうという話はわかります。逆に、自民党の公約A、公約E、公明党の公約Fは「共通マニフェストに盛られなかった→次期政権では実現をめざさない」ということで両党ともマニフェストから削るんですか?。もし削らないとしたらその大義は何ですかね?。公約C(C’)はどう?。調整するんですか?。もし調整して「議員定数40%削減で行こう」ということになったら自民党はマニフェストを「40%削減」へ書きなおすんでしょうか?。
野党側にも「共通マニフェスト」をまとめようとする動きがあるようです。同じことです。
選挙前に「共通マニフェスト」をまとめられるんだったらそれを旗頭に一緒の党になればいい。それはそれで論理的。別々のマニフェストを掲げた政党どうしが選挙の結果、何らかの理由で連立与党を組むならそれも論理的と思います。だって、私達の代表者である国会議員が決めることですから。自民党と公明党との連立政権に国民は直接的にお墨付きを与えたわけではありません。勝手に、いや失礼、間接的民意として連立してはるだけじゃないですか?。
つまりですね、ちょっと難しい言いかたですが、与党も野党も論理的には上記のように全く矛盾した「共通マニフェスト」なるものを「一応」掲げ選挙を戦うことで、どっちが政権を奪取するかはまだわかりませんがどっちにしても、選挙後に連立与党を組むことに対し国民からお墨付きをもらおうとしているのです。「共通マニフェスト」を掲げ選挙に勝ったぞ、と。意識的か無意識だかわかりませんが。政治的ごまかしです。
現・与党、現・野党の双方にうかがいたいところです。「共通マニフェスト」に盛りこまれないあなたの党のマニフェストは、実現するんですか?、実現しないんですか?、選挙が終わってから協議するんですか?、そんなんマニフェストと言えるんですか?。
専門家のブログなどを拝見すると「共通マニフェスト」への賛否がわかれています。ただ、その賛否のほどはわかるんやけど、どれも論理的ではありません。この問題は、鳩山代表が先日発表した民主党マニフェストが最終版かそうでないかよりも遥かに大きな問題と考えます。
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