「A.I.」

2009/11/22 15:55


 「オスメント君にまた感動させられるのだろうか?」という期待感もあって観たいと前々から思っていた米国映画「A.I.」(2001年。スティーブン・スピルバーグ監督)をレンタルで観ました。「A.I.」は「Artificial Intelligence」(人工知能)の略です。

 近未来のフィクションです。人類の周りには私達をサポートするロボットがあふれていました。外見は人間と変わらないロボット達ですが唯一、感情だけが欠けていました。ある夫婦へ、不治の病にかかった息子の代わりとして子供のロボット(ハーレイ・ジョエル・オスメント)が提供されました。そして、そのロボットに愛をプログラムする試みが実験的に行われたのです。夫婦の愛情に包まれた生活を始めたこのロボットはやがて、「真の人間(real)」になりたいと願うようになります。

 前半で「人間とロボットとの愛憎物語か?」と思いこんでしまいました。しかし、後半、時空を超えた大きなストーリー展開を見せてくれます。どんな展開かを話してしまうとネタバレになってしまいます。ですからヒントを少しだけ・・(笑)。

 スピルバーグ監督はこの映画について「アナログはいつか滅び、デジタルが生きのこる。なぜならデジタルは劣化しないからだ」という言葉を残しています。確かにそうですね。さらに、この映画で最も印象的だったのは、「デジタル」の未来ロボットが「アナログ」の過去・人間をどう評価したかという点です。「猿の惑星」という映画で同じ「アナログ」の猿が人間に下した評価とは全く異なります。考えれば考えるほど現代的なテーマで奥深い。
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