「直系家族型」国家と移民政策

2010/02/18 21:46


 昨日のログで、家族・家庭・結婚観を踏まえた少子化対策や子育ての社会化が必要と申しあげました。引用させていただいた人口学者のエマニュエル・ドット氏(写真)は同時に、移民政策も家族観とは不可分と主張しています。

 我が国のように出生率が1.3前後というのは、単なる人口減少を超えて、「国の没落」だとドット氏は言います。少子化が進んだことによるエンジニアの減少で技術開発に陰りが見えているドイツと同じように我が国も弱体化しかねません。そうした背景のもとで行われている議論の一つが我が国への移民の受けいれです。

 欧州では、社会不安の原因と見なし移民を制限してきました。しかし現実的には、移民の受けいれは高齢化が進む欧州が生きのこる有力な手段です。東欧からの移民がなければドイツの衰退はずっと早い時期に始まっていたと言われています。

 一方、日本やドイツのような「直系家族型」の国家では歴史的に見て、異民族との同化より、民族間の差異を強調する傾向があります。移民政策推進派の中には「だからこそ、移民の受けいれによって私達の社会に多様性を育むことにつながる」ともっともらしく主張している政治家もいます。しかし、これは本末転倒。センスがなさすぎます。
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