CO2濃度の上昇とコメづくり

2010/04/15 23:38


 二酸化炭素(CO2)濃度がコメづくりへ与える影響を探る実験について3月4日付「朝日新聞」が取りあげていました。簡潔にまとめるとこういうことです。

 岩手県雫石町と中国江蘇省の水田で行われた実験では、CO2の濃度を周囲より200ppm高くしてイネを育てた場合、その収量がともに約14%増えました。専門家の当初の予想よりは増加量が少なかったそうです。同様に、米国の小麦では約15%増の結果でした。光合成の仕組みによるものです。

 CO2濃度が上がると、水分が逃げにくくなりイネの生育に必要な水の量は少なくて済みます。しかし逆に、熱も逃げにくくなり高温障害の発生する危険性が高まります。地球温暖化による気温の上昇に伴いそうした高温障害は起こりやすくなるそうです。これにCO2濃度の上昇が加わると障害はさらに複雑になるとのこと。

 環境省温暖化影響総合予測プロジェクトの報告では、対策を講じないと、今世紀中頃までは冷害の軽減などで収量は増えますが、その後は気温上昇によって減収に転じ品質低下も心配されるとの予測です。

 総じて、「CO2濃度が増えることによって、イネの収量が増えることは増えるがそれは若干量で、一方で、イネ自体の温度が高くなりそれに温暖化がプラスされ高温障害の危険性が高まる」というのが各実験結果から導かれる結論と言えるでしょう。

 吉田康人は、今世紀中頃までしか生きられないからむしろ、温暖化によるコメの豊富な収穫を目の当たりにする世代なのかもしれません。しかし、子孫の代の人々にも美味しいお米を腹いっぱい食べてもらうため何としてでもCO2濃度上昇と地球温暖化を止めなければなりません。
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