高木善之著「ありがとう」(3)
2008/08/27 14:42
<<(2)からの続き→
ある日、担任の先生から電話がかかってきました。
「加乃ちゃん、古い筆箱を持っていますね。きょうそれがクラスで話題になりましてね」
先生の話によると、男の子が娘に「お前の筆箱、古いやないか、僕のはこんなんやで」と自分のピカピカの筆箱を自慢したのです。ほかの子も周りに集まってきて、娘の古い筆箱のことを囃(はや)し立てたそうです。
それに気づいた先生が、とっさになんて言おうか迷っていると、娘は「ねっ、古いでしょ! いいでしょ! これはお母さんが子どものころから大切に使っていたんだって。おじいちゃんの形見なの。私も大事に使って、私の子どもにこれをあげるの」と言ったそうです。
周りの子どもたちは一瞬シーンとなり、そしてしばらくすると男の子たちが「ふーん、ええな」と言ったそうです。→(4)へ続く>>
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