新幹線停電事故で閉じこめられた

2010/01/30 13:00


 ツイッター( http://twitter.com/yoshidayasuto )では昨日(金)ほぼリアルタイムでつぶやいていました。昨日の新幹線事故で吉田康人も新幹線車内に3時間以上(除:通常走行時間)閉じこめられました。

<<東海道新幹線3100人缶詰め 品川−小田原間で架線切れ停電2010年1月30日 朝刊

 29日午後1時50分ごろ、東海道新幹線の品川−小田原間で停電が発生、午後5時13分に復旧するまで約3時間半、両駅間の上下線で計6本が立ち往生し、うち5本に乗車していた計約3100人が缶詰め状態になった。運転見合わせ区間は一時、上りの新大阪−東京間、下りの東京−岐阜羽島間まで拡大。上下線で最大4時間21分、計190本が遅れ、約14万9000人に影響が及んだ。運休は計56本。

 JR東海は同日夜、東京、名古屋、新大阪の3駅に宿泊用の新幹線を用意した。・・(後略)・・2010年1月30日付「中日新聞」より>>

 京都駅を出て名古屋駅の手前だったので品川駅〜小田原駅間に閉じこめられた乗客3,100人のかたがたほどの苦労はありませんでした。しかし、夜の重要な会議へ備え3時間も余裕を見て出発したのにギリギリ・セーフでバタバタしてしまったり、N700系ならではの無線LANも不通となり仕事メールを車内から差しあげる予定になっていた関連事業者担当スタッフのみなさんへご迷惑をお掛けしたりで、散々な目に遭いました。

 一般的な情報はマス・メディアで既に報じられています。吉田康人からは、閉じこめられた一乗客として身近で起こった「出来事」についてご報告したいと思います。

■まず、JR東海から新幹線車内へ流れた第一報(アナウンス、電光掲示板)は「沿線の火災で・・」でした。ニュアンスとしては間違いなく、「線路沿いの建物だか何だかが火事を起こしその影響で新幹線がストップした」との伝えかたでした。しかし、これは誤りで、火災の発生源がJR東海自身であったことが時々刻々明らかになっていきます。

 降車後に乗車したタクシーの運転手さんも「そうだよね、自分達(JR東海)が起こした火災だったのにね・・」と言っていました。「JR東海には責任がない」という(ニュアンスの)ことを裏付けも取らずに「いち早く」伝えようとする同社の体質は何とかならないものでしょうか?。閉じこめられた乗客もがっかりしていました。反省を求めたいところです。

■上記タクシー運転者さんから聞いた話ですが、ジャーナリストもかなり閉じこめられていてその「現場」からの報告の一つに「駅のホームに一時停車したにもかかわらず乗降ドアが開けられなかった。このことに文句を言っていた乗客がいた」というのがあったそうです。もし乗降ドアを開けて乗客が車外へ出歩くと大変な混乱が生じることは容易に想像できます。しかし、乗客の素朴な疑問、不満、不安に対してその理由を「説明」する義務はJR東海にはあったはずです。

■到着時刻が2時間遅れると特急料金払い戻しの対象となります。しかし、このことに関するアナウンスは全くありませんでした。吉田康人は、払い戻しになることは知っていましたがICカード(口座からの自動支払い)での乗車だったため、「払い戻しの方法は?」と車掌さんへ尋ねました。そしたらこれ、自動改札を通りさえすれば後日、自動で精算されるんですってねぇ。知らんかったなぁ。ま、そんな関心している場合ではありません(笑)。そういう告知も全くなかったというのは問題だと思います。到着駅の精算所には長蛇の列ができていましたが、知らないまま損をしている乗客は大勢いるはずです。

 余談になりますが、たとえICカード乗車でも現金で精算(返金)してくれたらヘソクリにすることができたのに、残念です(笑)。

■吉田康人は、N700系のみで行っている無線LANサービスでいつも車内でインターネットを利用しています。ワイヤレス・ゲートからヤフーBBを通じてのアクセスです。しかし、閉じこめられている最中、それが不通になりました。パソコンに不具合が生じたのかと思いいろいろ試みましたが一向につながりませんでした。運転再開の途端、それも復旧。無線LANサービス・システムの仕組み上、インターネット不通と事故による影響との間に関連があることは明らかです。

 これも余談になりますが、携帯メールをある程度使えるITリテラシーがあって良かったと改めて思いました(笑)。

■最後に、これは乗客心理の問題です。吉田康人が乗車した車両は7割、8割がたビジネスマン風の乗客で埋まっていました。ま、どちらかというと困苦に耐えうることに慣れた(笑)乗客が中心でした。比較的「紳士的」な人々と言っていいかもしれません。しかし、さっきの2時間精算の話ではありませんが、閉じこめられる時間が2時間を超えると車内の空気が変わってきます。「しょーがないなぁ」<「いい加減にしろよ」となる境目がこの「2時間」かもしれません。例えば、それまで黙って聞いていた「紳士」が説明アナウンスの度に「えーっ」と声を出すようになるなど、車内が殺気立ってきます。

 閉じこめられた時点でまだ30分しか乗車していない乗客もいれば既に何時間も乗車してきた乗客もいます。乗客それぞれの「殺気度」もまちまちです(笑)。JR東海も研究をこれまでしてこられたのかもしれません。ただ、「2時間」で変わる車内の空気をどの程度把握し無用な車内トラブルを防ぐためにどのようなマニュアルを用意しておられるのかうかがってみたいと、率直に感じました。

 以上、昨日の新幹線事故において吉田康人の身の回りで起こった出来事から、感じたことを書きつらねてみました。それぞれ、ご参考にしていただければ幸いです。
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